log.01 なぜ、ヤクなのか

log.01 なぜ、ヤクなのか

このログは、

Yacraphというブランドの、最初の記録。

服を作るうえで、私が何を大切にしているのか。
どんな素材を選び、どんな考え方で向き合っているのか。

そうしたことを、
急がず、誇張せず、少しずつ言葉にして残していく。

最初に触れておきたいのは、
なぜ「ヤク」という素材を選んだのか、ということ。

糸を選ぶとき、
その素材がどんな服になりそうかを考える。

柔らかさなのか、強さなのか。
それとも、長く着たときに残る感触なのか。
Yacraphの服づくりは、
そうした基準を確かめるところから始まった。

私が選んだのは、モンゴル国産のヤク

ヤクは、カシミヤのように
最初から分かりやすい柔らかさを持つ素材ではない。
触れた印象は、少し素朴で、しっかりしている。
けれど、編み方や構造を何度も見直すうちに、
この素材が持つ奥行きが、少しずつ見えてきた。

ヤクの産毛は、カシミヤに近い細さを持ちながら、
一本一本にしなやかな強さがある。
軽さと保温性のバランスが取りやすく、
長く着たときにも、風合いが安定しやすい。

構造と仕上げを突き詰めていった結果、
カシミヤを超えるであろう風合いに辿り着いた。
単純な柔らかさではなく、
包まれるような安心感と、
時間が経っても変わりにくい着心地。

Yacraphでは、
このヤク素材を、
糸にするところから、製品になるところまで
モンゴル国の中で一貫して手がけている。

素材だけを切り取るのではなく、
服として完成するところまでを、
その土地の技術と仕事として残すこと。

結果として、
正当な対価を、正当な外貨として、
モンゴル国のものづくりの現場に還元したいとも考えている。

派手な取り組みではない。
けれど、服を作る以上、
その背景まで含めて誠実でありたい、という姿勢。

着た瞬間の印象よりも、
何度も袖を通したあとに残る感触。
時間とともに、静かに信頼が深まっていくこと。

Yacraphの服づくりは、
モンゴル国で育ったヤクという素材と、
その時間の積み重ねから始まっている。

 

 

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