log.10 EREN

log.10 EREN

Yacraphの最初のモデルには、
ERENという名前をつけた。

モンゴルの言葉を由来にした、
4文字の名前。

ブランドを始めようと思った頃から作り始めて、
気づけばもう1年半くらい、この一着を見ている。

昨年の冬には自分でも毎日のようにERENを着て、
日々の生活の中で着心地や経年変化を確かめていた。

先日、ERENの最終サンプルを検品した。

今回確認したのは、
サンプルとして一枚だけ作ったものではなく、
実際に量産した製品の中から抜き取った一枚。

つまり、これがお店に並び、
お客様の手に渡っていくERENになる。

ここまで、何枚見てきただろう。

最初のサンプルから、
サイズを変えたり、編み方を調整したり、
仕上げを変えたり。

良くなったと思って、
また少し気になるところが出て。

その繰り返しだった。

そして今回、
最後の一枚を確認して思った。

これまで見てきたERENの中で、
もちろん、これが一番いい。

ようやく自信を持って、
世の中に出せるところまで来た。

量産そのものも、いよいよ終盤に入っている。

サイズや編み地、色、風合い。

工場と確認しながら、
一つずつ最後のチェックを進めている。

サンプルを一枚作るのとは違って、
量産になれば少しずつ個体差も出る。

そこを確認して、整えて、
きちんとした状態で日本へ送る。

今はその最後の詰めをしているところだ。


ERENを作り始めてから、約1年半。

長かったような気もするし、
振り返るとあっという間だった気もする。

自分で考えて、
何度も直して、
工場ともたくさん話してきたERENが、
もうすぐ自分の手を離れる。

ただ、その先にいるのは、
顔の見えない誰かではない。

まず、Yacraphの背景を理解して、
取り扱うことを決めてくださったお店の方たちがいる。

そして、その方たちの言葉を通して、
Yacraphを知ってくれるお客様がいる。

まだ誰も知らないブランドだからこそ、
ERENはそうやって届いていくのだと思う。

自分の手元でずっと育ててきたものが、
誰かの手に渡っていく。

わが子を送り出すというのは、
こういう気持ちなのかな。

もちろん、少し緊張はする。

でも、それ以上に楽しみだ。

何度も作り直して、
自分でも何度も着て、
最後の一枚まで自分の目で確認した。

今のERENなら、
自信を持って送り出せる。

あと少しで、店頭に並ぶ。

ここから先は、
お店の方たちの言葉と一緒に、
ERENがそれぞれのお客様のもとへ届いていく。

1年半、自分の手元で見続けてきたEREN。

ようやく、送り出す準備ができた。

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